パソコンのウィルストラブルと再セットアップ
ウィルスに関するトラブルは、ウィルス駆除ソフトメーカーの啓蒙活動のおかげか、最近ではやや減ってきたような気がします。
それでも、まだウィルス感染のトラブルはあります。
実際にウィルスにかかってしまったパソコンと言うのは、非常に厄介です。
私がN社のサポートにいた際には、ウィルスにかかったパソコンのトラブルの場合は、なるべく再セットアップ(初期化・リカバリ)をお勧めしていました。
実際に再セットアップと言うのは、とてもいい手段なのです。
いままでパソコンをずっと使い続けたことで、OSの断片化、レジストリの肥大化などを経て、OS(WindowsXPなど)はとてもくたびれてきています。
再セットアップは、そんなくたびれたOSをスッキリ元通りに再生させることができるからです。
心の底から、再セットアップは良い手段だと思います。
しかし、当然ですが再セットアップは、パソコンの中のお客様が作成したデータが綺麗さっぱり消えてしまいます。
N社のサポートにいた頃は、くどいほどに「お客様が作成したデータは必ずバックアップをしてから、再セットアップをしてください」とお伝えしていました。
でも、世の中そんな簡単に再セットアップと言うわけには行かないですよね。
難易度:下
■そう簡単に再セットアップができない理由
データのバックアップに関しては、取り出したいデータがはっきり分かっていて、且つ、取り出せる状態(パソコンの起動に問題がない)であれば、ほぼ問題はないでしょう。
とはいえ、簡単にすぐ再セットアップというわけにはいかない場合があります。
再セットアップをした際に発生する手間をざっと列挙してみましょう。
・WindowsUpdateを一から適用しなくてはならない
・バックアップしたいデータのバックアップ方法が分からない
・Officeなどの添付CDが見つからないので、消えてしまう
・アプリケーションCDが見つからないので、消えてしまう
・バックアップしたデータを戻すのが面倒、分からない
・各アプリケーションの諸設定のやり直しが面倒、分からない
などなど・・・
■スッキリ生まれ変わるか、どうにかトラブルを直すのか
先ほどの手間をちょっと検証してみましょう。
・WindowsUpdateを一から適用しなくてはならない
これは意外と厄介です。WindowsXPの場合、現在ServicePack2というものが提供されています。それ以外にも50以上のWindowsUpdate項目が提供されています。これらをインストールする際に、全て一気にと言うわけには行きません。何度か再起動を繰り返す必要があります。とりわけ、SP2はファイルが大きいのでダウンロード時間も馬鹿になりません。この作業がとても手間がかかります。
※当社の出張サポートの際には、SP2をCD-Rに保存して持って行きますけれど。
・バックアップしたいデータのバックアップ方法が分からない
これもやっかいですね。マイドキュメントの中のファイルや、マイピクチャの中の画像などはすぐに分かりますが、OutlookExpressのメールデータや、アドレス帳、InternetExplorerのお気に入りなど、手順を知らないとどうやっていいかわかりません。
それより何より、アプリケーションによっては、データをマイドキュメントに保存しないものもあり、再セットアップをしてから、データがマイドキュメントに入っていなかった、といった現象も起こりえます。例えば、昔の「てきぱき家計簿マム」は、ProgramFilesのアプリケーションフォルダの中に家計簿データを残していました。こういうソフトは、今でもありえます。そうなってくると、一つ一つ確認が必要でとても手間がかかります。
・Officeなどの添付CDが見つからないので、消えてしまう
これも意外と盲点です。「再セットアップを行うと、PCを買ったときと同じ状態になります」とよく言われますが、実際には Microsoft Office の場合、再セットアップ後に自分で添付の CD-ROM からインストールしなければならないのです。
その添付の CD-ROM が手元にあれば問題ありませんが、そのパソコンが親族や友人から譲ってもらったものの場合、Mircrosoft Office のCD-ROMがない場合があります。場合によっては、添付のCD-ROMを捨ててしまっていることさえあります。そうなると、Word、Excelを使いたければ、新しくOfficeを購入しなくてはなりません。意外と知らない人が多いのですが、 Microsoft Office は非常に高価です。Amazonで購入した場合、39,580円ですね。
パソコンについている WORD、EXCELは、おまけで付いてきているわけではないのです。実は Office 付属のメーカー製パソコンの値段は、Microsoft Office の分だけ2万円ほど高くなっているのです。
・アプリケーションCDが見つからないので、消えてしまう
後から買ったソフト(例えば、年賀状ソフトなど)も再セットアップで消えてしまうので、別途インストールする必要がありますが、無くしてしまっていたり、友人から借りたソフトだったりして手元に無い場合があります。
※ソフトウェアを借りてパソコンにインストールするのは、違法ですので、やめましょうね。
・バックアップしたデータを戻すのが面倒、分からない
これはとても面倒な作業です。データの量が多い場合、慣れていないと、1日仕事になったりします。
・各アプリケーションの諸設定のやり直しが面倒、分からない
これも意外と盲点で、再セットアップをしてから「あれっ?」と思うことが多いですね。最近のアプリケーションは、上部のボタンの位置などを変更できますので、これも全て戻ってしまいます。InternetExplorerでも、ツールバーを追加していた場合、もう一度ダウンロードしてインストールが必要になります。
また、ウィルスソフトを購入している場合は、インストール後にユーザー登録してあるデータを再度入力しなくてはなりません。
こういった細々した再設定・再修正にかかる時間も馬鹿になりません。
■Generic Host Process for Win32 Services エラー
今回のお客様は、ウィルスに感染しPCが勝手に終了してしまう、とのことでお伺いしました。
状況を確認したところ、使用しているパソコンは友人に貰ったものであり、上記の「Officeなどの添付CDが見つからないので、消えてしまう」に当てはまりました。パソコンの状況を確認する限り、明らかに再セットアップをした方がいいと言う状況でしたが、再セットアップをしないで直すことにしました。
さて、LANケーブルを外した状態でとりあえず必要なデータをバックアップし、ウィルス駆除を行います。ウィルスは14個見つかりました。
また OS が WindowsXP Professional Service Pack 1だったので、手持ちのCD-Rから SP2 をインストールします。
その他、いろいろいろいろとメンテナンスを行っていき、ある程度の目処が立ってきました。
最後に、WindowsUpdateを適用しようとしたところ・・・。
Generic Host Process for Win32 Services のエラーが突然出て、WindowsUpdateが適用できないトラブルが発症してしまいました。
この段階で、既にかなりの時間が経っていましたので、一旦お預かりすることになりました。その後自宅で調べた結果この症状は改善しました。
ちなみに解決策はこちらで確認できます。[ Microsoft 文書番号 : 894391 ]
※注:今回は直りましたが、全ての Generic Host〜 エラーが直るわけではありません。
■結局どうなの?
改めて言うと「重度のウィルスにかかった時は、できれば再セットアップをした方がいい」です。それは間違いありません。
それでも、再セットアップをしなくてもなんとかなるなら、何とかして欲しいと思うのも、分からなくはありませんけれども。
せめて WindowsUpdate が、再セットアップ後に1回だけですめば楽になるのですけどね。
また、データのバックアップは別の媒体にとっておくことも有効です。
最近は、外付けHDDが非常に安い値段で売っていますからね。
データのバックアップの話は、またいつかお話したいと思いますが、本当に消えては困るデジカメの写真データなどは、2重3重にバックアップすることをお勧めします。
■ウィルス感染したパソコンは100%完治するわけではない
というわけで、今回はなんとかウィルスも駆除できて、パソコンも正常に戻りましたが、いつもこのようなラッキーな結果になるとは限りません。
ウィルス駆除ソフトもたくさんいろんな種類が出ていますので、おかしくなる前にケアを忘れないようにしましょう。
相変わらず、最後がややグダグダ気味になりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
- 2006.12.21 Thursday
- サポートコラム
- 03:02
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